こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「日経MJ 2005年6月6日」に掲載された記事を転載しています。

震災前からの下町の味 再現

神戸・長田のお好み焼きソースを商品化

 1995年の阪神大震災で建物の約8割が全半壊した神戸市の新長田地区。震災復興に伴う街づくりを担う「神戸ながたティ・エム・オー」で、森崎清登さんは商業活性事業部長を務める。本業のタクシー会社社長の仕事の合間を縫って、地元で長年親しまれてきた味を再現したお好み焼きソース「長田ソース」を企画した。
 新長田地区は約70軒のお好み焼き屋が密集するほか、焼き肉店や喫茶店なども多く営業する「食のまち」。お好み焼き屋は「500平方メートル内の密集度で見ると全国一では」という。森崎さんはこれまでに、コンニャクと牛すじ肉を煮込んだ地元の食材「ぼっかけ」を地元メーカーと商品化し、「食のまち」を全国にアピールしてきた。
 「食のまち」をさらにPRしようと、地元の愛着が深いお好み焼きソースを企画。地元のオリバーソースと共同開発し、5月22日に神戸市長田区限定で発売した。味の決定には自ら参加し、「長年親しんだ酸っぱい味わい」を助言。お好み焼き店のソースに近い味わいになったという。
 新長田地区は震災後に高層の再開発ビルが建設され、「昔の下町情緒が失われつつある」。それだけに、子供のころから親しんできた味を残し続けることで、「長田の良さを次の世代につないでいきたい」と語る。
もりさき きよと
1952年兵庫県生まれ。75年早稲田大法学部卒。酒造メーカーを経て、86年に近畿タクシーに入社。99年に神戸ながたティ・エム・オーに参加。

 新聞紙面よりスキャナで写真を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。


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