こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「神戸新聞 2000年12月1日朝刊」の記事に掲載されたものを転載しています

食用油でバス快走

神戸・新長田 初の走行実験

燃料に生まれ変わった「食用油」を注入!

バイオ技術を使った新燃料を「買いもん楽ちんバス」
に入れる上田委員長ら=神戸市長田区二葉町5、
大正筋商店街
 廃油の活用をにらんで食用油でバスを走らせる実験が30日、震災復興に取り組む神戸・新長田駅南地区で行われた。神戸大の福田秀樹教授らが最新のバイオ技術を応用しての挑戦。公道での走行は全国初だったが、バスは排ガスの代わりにほんのりと“揚げ物の香り”を残しながら、下町を走り抜けた。
 福田教授らは、酵素を使って、廃てんぷら油などを低コストでディーゼル燃料に変える手法を開発。同地区の「高齢者に優しい商店街づくり事業実行委員会」(上田司郎委員長)が「そんなら、ぜひうちで走らせて」と依頼した。
 午後3時すぎ、上田さんが地域と商店を無料で結ぶ「買いもん楽ちんバス」のタンクに、燃料に生まれ変わった“食用油”18リットルを注入。運転手の向山文則さん(50)がそっとエンジンをかけるとバスは前へ。
 「ノック音が少ない。すべるように走る」と向山さん。乗客も「乗り心地いいですよ」とひと安心。楽ちんバスの運行は、国の補助が切れたため、この日で終了したが、住民らは「みんなで油をリサイクルし、バスを走らせたいな」と夢をつないでいる。

※ カラーで掲載された新聞紙面よりスキャナで写真を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。

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