ゆっくり語るコーナー  −1−

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社長、個人タクシー開業支援を語る。

以下の文章は、B-ingの記事より転載いたしました。

 一般的に、タクシー会社にとって、個人タクシー開業は嬉しいことではない。
 個人タクシーを開業するには10年間のキャリアが必要なうえ3年間を無事故で営業せねばならず、個人開業されると、そういった優秀なドライバー、つまりベテラン層が抜けてしまうことになるからだ。
 しかも、同じエリアで営業されれば、ライバルになる。
 「でもね、じゃあなんで個人タクシーができたかというと、法人タクシーの姿勢を引き締めるためだったんですよ。昭和30年代でした。みんな個人タクシーになりたいからマジメに走るでしょ。法人も個人タクシーにお客様を取られないようにマジメに走る。」
 その結果、タクシー業界全体の質は向上しました。
 「その現象を会社規模で起こしたくて、個人タクシー開業をバックアップする制度を考えました。無料講習会から試験勉強時間提供まで、最後は学校みたいになっちゃうかもしれません。」と語るのは近畿タクシーの森崎社長。
 近畿タクシーと言えば、神戸で「ポートキャブ(ロンドンタクシー/結婚式などで大活躍)」を走らせている唯一のタクシー会社として有名。
その他、車イス専用タクシーなど、お客様のニーズに応じたタクシーを走らせているうちに、タクシー業の付加価値はサービスにつきるということを知った。
 震災で利用客の25%を失った今こそ原点にかえり、サービスの質向上につとめたいという。
 「…ほっておいても売上は下がったままです。今が底、今だから思いきって挑戦できる。」
 「発想を転換させれば、タクシー会社にとってこれほどいいこともないんですよ。だって開業されるまでの10年間は模範的なドライバーでなければならないわけで、会社にとっても無事故で安定的に稼いでいただけるわけだし、事故処理などが省けるのなら、講習会に力を入れるぐらいはね。ウチが成功すれば、他社でも積極的に挑戦されるかもしれない。」
 「質をアップさせるには、その仕事に誇りをもって貰えばいい。優秀なドライバーでないとなれない個人タクシーは誇りの部分です。」
 現在、社内外を問わず開業希望者を募っている。結果が楽しみである。

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