こんなところでも近畿タクシー

区切り線

以下の文章は「朝日新聞2007年2月19日朝刊」の記事を転載しています。

子ども乗せ 笑顔の翼

三宮商店主・全日空など協力



客室乗務員らと記念撮影する子どもたち=瀬戸内海の上空で
養護施設の72人、瀬戸内海上空へ

 神戸・三宮の商店主らでつくるまち興しグループが18日、神戸市内の児童養護施設などで暮らす子ども72人を神戸空港に招待し、瀬戸内海上空を遊覧する特別フライトをプレゼントした。全日本空輸が運航協力し、市内のタクシー会社が地上の送迎を無償で買って出た。開港1年を迎えた神戸空港に子どもたちの笑顔があふれた。  (成崇)

 午前6時過ぎ、市内12カ所の施設で暮らす小学4〜6年生が、近畿タクシーの小型バスなどで空港に次々と到着。親を亡くしたり、家庭の事情で親と離れて暮らしたりしており、中には「飛行機に乗るのは初めて。眠れんかった」と緊張気味の子もいた。
 午前7時08分、子どもたちを乗せた定員166人のエアバスA320型機が離陸すると、機内では「飛んだ!」「すげえ!」と歓声が上がった。数分後、機体は雨雲を突き抜けて雲海の上に。真っ赤な朝焼けの光が差し込み、児童らは窓の外に見とれていた。
 飛行機は約30分かけて家島諸島、岡山、高松、淡路島と瀬戸内海上空を一周。パイロットが機内アナウンスで高度や位置を分かりやすく解説した。機体が降下し、神戸の街並みや港が見え始めると、子どもたちは「めっちゃきれいやな」ともう一度身を乗り出した。
 記念の「搭乗証明書」を受け取った子どもたちは、到着ロビーで全日空のマスコット「ピカチュウ」の着ぐるみの出迎えを受け、同乗した矢田立郎市長や大学生のボランティアスタッフらと一緒に記念撮影をした。ドンク神戸やモロゾフが用意した洋菓子、就航先の沖縄県物産公社の「星の砂」なども受け取り、「景色がきれいやった」などとうれしそうに感想を話した。
 この空の旅は、三宮の商店街やデパートなどでつくる「三宮街創り協議会」が提案。05年5月に結成後、様々な社会活動に取り組んでおり、神戸空港の開港を受けて初めて企画した。久利計一会長は「快く協力頂いた皆さんに感謝したい。行政に任せきりではなく、大人たちが『神戸の街衆』として子どもらに何ができるのか、今後も考えていきたい」と話した。

※ 新聞紙面よりスキャナで写真を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。

ソーシャル・ベンチャーはこちらをご覧下さい


戻 る