こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「日本下水道新聞2007年7月4日」の記事より一部抜粋して転載しています。

地球環境と下水道をつなぐ「こうべバイオガス」 特別座談会

 出席者

神戸市建設局参与
尾崎 昭彦

国土交通省近畿地方整備局建政部都市調整官
那須 基

近畿タクシー代表取締役
森崎 清登

関西学院大学経済学部教授
田中 敦

主婦連参与 NPO法人関西消費者連合会理事長
角田 禮子

進行 大阪支社長・中川 広
森崎氏 「循環のみち」繋ぎ役を

−−−森崎さん、消化ガスから精製したこうべバイオガスをタクシー燃料として実際に利用されているとのことですが、使用感はいかがですか。
森崎 私は長田区でタクシー会社を経営しています。天然ガスのタクシーは全国で初めて私どもが導入させていただきました。COP3京都会議が行われた翌年からです。阪神大震災後、神戸は「やさしい」という言葉がキーワードになると気づいて、やさしい取り組みをタクシーでもやろうと思いました。
当初、天然ガスを供給している大阪ガスに「やれますよね」とお聞きすると、タクシーでは走行距離が長いので無理だと思っておられました。7年前になりますが、もちろん当時はバイオガスの設備はなくて、大阪ガスのエコスタンドで充填しました。天然ガスタクシーは、今でも全国で10台くらいしかなく、私どもには2台あります。充填するにしても充填場所が少なく、改造費用も相当にかかります。ただ、「優しさ」をキーワードにした街づくりの動きとともに、私どもの事業があるんだというメッセージを伝えるには、やはり天然ガスを燃料に活用したかった。
先ほど出てきた下水道の「循環のみち」。この循環を私どものタクシーがつなぎ役の一つとして果たしているのなら、この街のタクシー事業者冥利に尽きるなと思い、昨年の夏、バイオ天然ガスをタクシー燃料として利用させていただこうと踏み切ったわけです。
東灘処理場で充填させていただいたタクシーは六甲摩耶山の観光に利用しています。東灘区民からみたら、自分たちの山に出かけて行く、あるいは訪れてくれた観光客がこの街の作り出したきれいなエネルギーでもって六甲山摩耶山をご覧いただく。いわば大きな循環が描ける。イメージではなく実際にご利用されるお客さまが具体的な目に見える形、走れば走るほど実感が出てくるという。このためにこそ天然ガスタクシーはあったんだろうというものに出会いました。大変手応えを感じています。



−−−環境問題はストーリー性があれば馴染みやすいのではないでしょうか。森崎さん、タクシーに乗ったお客さんからこの車の燃料の「こうべバイオガス」について聞かれることもあるでしょうし、そうしたことから話がはずみ、もう少し走ってくれないかということもあるのではないですか。
森崎 先ほど地産地消という話もありましたが、地域の有りものを活かしていくということですね。六甲摩耶山は街に近いのが売りで誰もが認めるところです。そこで、あらためて六甲摩耶山の自然を楽しみに行こうかというきっかけ作りをやりたかった。今回の私どもの環境への取り組みについて、それをホテルも観光施設も私どものタクシーでその環境への思いをつないでいくことによって、一つのもてなしの雰囲気が出てくるのではないでしょうか。
これは「声なきストーリー」だったのが、語ろうと思ったらバイオガスをきっかけにどんどんストーリーを語ることができる。
訪れる方と地域と、そして私ども市民を結ぶ結び目と言いますか、糸口となるんです。
観光という面で言えば、自分たちの出した下水がきれいに処理されて六甲山のすばらしい自然を守っていて、その景観を満喫することができるんだと。下水道のネットワークがあるからどこでも円がかける、他の地域ともコンパクトな形で輪が作っていけると思います。

神戸市役所特別会議室での座談会

試乗会で環境にやさしいバイオガスについて語る神戸市長(中央)

 スキャナで紙面より写真の画像を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。

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