こんなところでも近畿タクシー

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以下の記事は「神戸新聞 平成20年6月12日 朝刊/地域ニュース面」より転載しています。

学生6000人、授業終われば三宮に直行?
「魅力探し」夢の途中

ポーアイ“学園都市化”1年余

 中央区のポートアイランドに、神戸学院大学など4大学1短大の「学園都市」が誕生して1年余りになる。学生数は約6000人。新たなキャンパス群には、地域の活性化が期待されていた。空洞化が目立つ人工島は、「若者でにぎわう街」に生まれ変わったのか。現状を取材した。
   (森 信弘)


駅から歩いてキャンパスへ向かう学生たち。
昼間の人口は増えたが…=中央区港島中町
「たまり場」づくりが課題
市職員が街紹介の講義も


中央区
 ポートアイランド中心部のポートライナー、市民病院前駅。大学生がどっと乗り降りする。昨年4月、もともとあった神戸女子大・短大に加えて、神戸学院大、兵庫医療大、神戸夙川学院大が開学した。
 法学部や経済学部など4学部が移った神戸学院大。西脇隆雅・ポートアイランドキャンパス事務部長は「都心近くに移り、行政や企業からは、どんな大学か分かりやすくなったと言われる。やっと中堅の総合大学として認知されたのではないか」と胸を張る。神戸空港が近いことから、学会の開催数も増えたという。
 同大には、神戸ポートピアホテルが経営するレストランが入り、週末は住民ら一般利用者の方が多いらしい。各大学とも公開講座や講演会などに力を入れ、地域の祭りやボランティアにも参加する学生もいる。
 しかし、最寄り駅や大学周辺を少し離れると、学生の姿が見当たらない。どうやら、授業が終わればすぐ、ポートライナーに乗って10分足らずの三宮に戻るようだ。神戸学院大経済学部で「観光まちづくり」のゼミに所属する3年の榎本まどかさん(20)は「洋服店とかコーヒーショップとか、学校帰りに気軽に寄れる場所がない」。尾崎翔伍さん(20)も「漫画喫茶のように、眠たくなったら寝られる場所がほしい」と注文。学生たちも近くにたまり場を求めている。
 有機野菜などを扱うカフェを営んで8年目という磯崎玉英さん(58)は「ポーアイはもともと店が少ないし、学生たちは、店そのものが存在しないと思い込んでいるのでは」とこぼす。
 市みなと総局は「まず、学生に興味を持ってもらいたい」と、昨年秋から神戸学院大で市職員がポーアイについて講義している。NPO法人に委託して、学生によるポーアイのマップづくりも進める予定だ。
 一方で、近畿タクシー(長田区)の森崎清登社長は「ポーアイの大学一帯は観光ポイントになる」と注目。「囲いがなく開放的なキャンパスや芝生。近くのポーアイしおさい公園から神戸港を望む美しい眺め。十分アピールできる」と可能性を指摘する。
 集まった大学や学生を、地域の魅力にどう結び付けることができるか。そのための知恵が求められている。

 スキャナで写真を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。

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