こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「朝日新聞・朝刊」2002年9月19日に掲載された記事を転載しています。

バリアない街めざす

ユニバーサルデザインの作品募集

 長田の研究会

 電話機の「5」のボタンについた小さな突起、駅などで見かける高さの違う2種類の手すり…。目の不自由な人もボタンの位置が判別でき、車いすの人も手すりがつかみやすい。障害や年齢にかかわらず、誰もが使いやすい製品やサービスの規格を目指すユニバーサルデザインだ。この考え方の普及に取り組む神戸市の「長田区ユニバーサルデザイン研究会」が、市民から新しい知恵を募ろうと、第1回神戸ユニバーサルデザイン大賞をつくった。

 意識浸透へ大賞つくる

 95年の阪神大震災で大きな被害を受けた長田区では、市の再開発計画などで新しいビルや建物の建設が今も相次ぐ。その一方で、被災地の高齢化は確実に進む。
 「ユニバーサルデザインの思想を街づくりに生かしていこう」。そんな発想からこの研究会は生まれた。区社会福祉協議会、市民団体、民間企業の代表者らで昨年7月に旗揚げした。
 昨年9月には、面ファスナーを使って脱いだり着たりしやすくしたベストを集め、ファッションショーを開いた。
 震災後に再建された長田区内の銭湯の見学もした。建物の入り口から浴場までの段差をなくし、浴槽の縁を腰掛けやすいように幅を広くしてあった。これなら、車いすの人も入浴しやすい。
 さらに、小学校でデザインについて講演をするなど、より多くの人に興味を持ってもらおうと活動してきた。大賞をつくったのはその一環だ。
 同研究会の森崎清登会長は「ユニバーサルデザインは、今後100年間は街づくりの中心になる考え方の一つ。身近な物のデザインから考えてほしい」と呼びかける。
 一般部門(大賞は賞金5万円)と中学生以下のジュニア部門(同図書券1万円分)がある。募集は30日までで、すでに100点以上のアイデアが寄せられているという。
 大賞などの優秀作品は11月2日、JR新長田駅前で開く「こうべユニバーサルデザインフェア」で発表し、イメージ図をパネルにして区役所などで展示していく予定だ。
問い合わせは同研究会事務局(078-579-2311)。

長田区ユニバーサルデザイン研究会のホームページはこちらです。

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