こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「朝日新聞2003年11月4日朝刊」に掲載された記事を転載しています。

虎色満開

「ほんまに、ありがとう」「かんとく、だいスキ」

ファンの歓声に手をあげてこたえる阪神・星野仙一前監督ら
=3日午前、大阪市中央区の御堂筋で
Vパレード 歓喜・涙・六甲おろし

 秋雨の大阪・御堂筋、神戸の繁華街に3日、65万人の感謝の歓声が響き、「六甲おろし」がこだました。18年ぶりのセ・リーグ優勝を成し遂げた「猛虎」に多くの人が夢中になった。「ほんまに、ありがとう」。そこかしこから感謝の声が飛び、最後の「縦じま」姿となった星野仙一前監督や選手たちが、手を振って応えた。
 大阪市役所前でのセレモニーのあと、星野前監督や選手ら63人は3台のパレード車に乗って出発した。時速3キロ。
 市役所前で、大阪市東住吉区の保育士藤村美里さん(26)は「かんとく、ありがとう。だいすき」とハート形の紙を掲げた。「もう、涙が出そうです」
 強い雨を、切り裂いてジェット風船が飛ぶ。59年に南海ホークスの「涙の御堂筋パレード」を見た大阪市住之江区の無職黒木繁さん(68)は、「生きているうちにタイガースのパレードを見ることができて…」と感無量。沿道の「子ども・障害者ゾーン」では奈良県三郷町の小学1年生、巽恒太君(7)が「井川投手のような格好いい野球選手になりたい」とはしゃいだ。
 午後からは、興奮が神戸に移った。
 「長田に夢と勇気をありがとう」。神戸・長田の草野球チーム「ぼっかけーず」のメンバーは、プラカードを揺すってアピールした。「ネバー・ネバー・サレンダー(決してあきらめない)」という星野阪神のキャッチフレーズを、震災で落ち込んだ長田の街づくりの理念と重ね、新名物「ぼっかけ」の売り出しに取り組んできた。
 監督でタクシー会社社長の森崎清登さん(50)は「選手たちは達成感を味わったいい表情をしてたが、長田はまだ1回表が終わったところ。これからもへこたれんと、もらった勇気を生かしたい」と笑顔を見せた。

感謝せないかん
星野仙一前監督 パンツの中までぐしょぬれになった。だけど、沿道の人たちはもっと何時間もいたわけだろう。感謝せないかん。

雨はうれし涙
桧山進次郎外野手 雨は全国の阪神ファンのうれし涙だと思う。見ていたおじいさん、おばあさんが泣いていたのが印象的だった。18年も空いたらいけませんね。

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