こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「Cabiネット No.51 平成16年5月15日号」に掲載された記事を転載しています。

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タクシー新サービス時代
これまでのタクシーといえば各社一律の料金とサービスがあたりまえ。公共交通機関でありながら、利用者からは不満も多かった。それが規制緩和をきっかけに、各社独自のサービスを打ち出す“競争の時代”へと大きく変わりつつある。
 タクシーに子どもが一人。運転手と楽しそうに言葉を交わす。見慣れぬ光景だが、これは近畿タクシー(神戸市)のサービス「安心かえる号」の様子。事前登録しておけば、電話一本で、どこへでもタクシーが子どもを迎えに行く。料金は通常の乗車運賃のみだ。
 「規制緩和は、低運賃化やサービス改善などの直接的な効果だけでなく、新しい事業を模索するきっかけを業界にもたらしました」と社長の森崎清登さん。安心かえる号も、子を持つ母親の声をきっかけに思いついたサービスだという。
 平成14年2月1日、改正道路運送法が施行された。これにより、新規参入および増車がこれまでの認可制から原則自由化され、運賃については認可制ながらも一定の幅の中から事業者が主体的に設定できるようになるなど、タクシー事業に関する規制緩和が行われた。当初は、過当競争を招くのではと業界からの反発もあった。だが、いち早くサービスを改善し、独自の事業に取り組む業者が増えている。近畿タクシーも車内にゴザやテーブルを用意した花見タクシー、ヘルパーの資格を持つ乗務員が運転するリフト付ユニバーサルタクシーなど、さまざまなサービスを展開してきた。「タクシーは電車やバスと違って、点と点をつなぐ交通手段であることが強み。それを活かし、人と人、人と地域をつなぐコミュニティーサービスを担っていきたい」と森崎社長は話す。
 現在、増車による他地域展開を積極的に進める会社が現れたり、介護輸送サービスや荷物配送サービスなど、タクシーの利点を活かした新しいサービス展開をする会社もある。事業者にとってはビジネスチャンスに、利用者にとってはさらなる利便性に結びつく、まさに新サービス時代が拓けつつある。
↑写真上)
子ども送迎サービス「安心かえる号」は、事前登録しておけば、電話一本でどこにでも子どもを迎えに行く。
かえるのぬいぐるみは、事前登録者の目印。小さい子どもに携帯させ、大きい方を車内に置いておく。
(←写真左)
ホームヘルパーの資格を持つ乗務員が介助する「ユニバーサルタクシー」。

「Cabiネット」は「Cabinet(内閣)」と「ネットワーク」を組み合わせ、内閣と国民との橋渡しをする雑誌でありたいという気持ちを込めました。またcabinetには飾り棚・陳列棚という意味もあり、誌面を通じてさまざまな情報をお届けするという意味も込められています。

発行所:社団法人 時事画報社
     http://www.jijigaho.or.jp
編集協力:内閣政府広報室

 誌面よりスキャナで写真を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。


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