こんなところでも近畿タクシー

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以下の文章は「神戸新聞2005年1月21日夕刊」に掲載された記事を転載しています。

立木義浩写真展「ひと まち 笑顔 こうべ」

'05.1.17 すまいる スマイル

タクシー運転手
ささやかな夢実現

垂水区南多聞台4丁目 鍬田幸司さん(38)

 運転が、というより、接客が好きなんですよ。日ごろは営業の仕事が多いけど、たまにタクシーに乗ると自然と顔が緩んでしまう。同僚から「今日は運転?うれしそうやなあ」と言われます。分かるんですねえ。
 この写真もそう。好きな仕事をしてるから、笑顔になる。
以前はホテルマンでしたが、接客部門から異動させられそうになり転職しました。
 震災の3日前に娘が生まれたんです。地震の朝は、妻が入院していた病院まで歩きましたね。40〜50分くらいかな。とっても不安でした。
 妻も娘も無事でしたが、妻はショックで母乳がでなくなった。粉ミルクが売ってなくてねえ。スーパーが閉まっていたり、品切れだったりで。買いに走り回りました。
 日曜に子どもと遊ぶ。そんな家庭を持つことが私のささやかな夢でした。息子も生まれて、夢は実現しました。それも、笑顔の理由でしょうか。
 タクシーは不況で厳しく、神戸の観光客もまだまだ少ない。でも、お客さんは笑顔でお迎えしたいと思います。

写真家・立木義浩さんの「ひと まち 笑顔 こうべ」展(神戸新聞社後援)は、24日まで大丸神戸店で開催。

 新聞紙面よりスキャナで写真を取りこみましたので、若干汚れが目立ちますがご了承下さい。


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