以下の文章は「朝日新聞2004年4月8日朝刊」に掲載された記事を転載しています。

長田新名物 「鳥ぼっかけ丼 食べてや」

商店主ら「吉野家」に提案
県産鶏肉の安全PRも狙う

 神戸市長田区の商店主らでつくる街づくり会社「神戸ながたTMO」が、牛すじ肉を甘辛く煮込んだ地元名物「ぼっかけ」をのせ、炭火もも焼きをちりばめた新メニュー「鳥ぼっかけ丼」(=写真)を考案した。阪神大震災からの復興に取り組んできた「不屈の精神」を届けようと、BSE(牛海綿状脳症)の影響で牛丼が消えた「吉野家」を経営する吉野家ディー・アンド・シー(東京)に採用を打診している。
 吉野家は震災当時、神戸市内の店舗で炊き出しをするなどして被災者を支援した。同社の広報担当者は「気合のこもった提案を頂き、とてもありがたい。励みになる」と話している。
 神戸ワインにつけた神戸牛のすじに淡路産タマネギなど、食材の大半が兵庫県産。鳥インフルエンザで鶏肉の消費が落ち込む中、県産の鶏肉も使い、安全性をPRする狙いもある。
 震災復興をめざして、ながたTMOではこれまで、「ぼっかけカレー」を商品化したり、地元の商店街でぼっかけ入りメニューを広めたりするなど、食を通じた街おこしに力を入れてきた。今回、「暗雲に覆われている牛丼業界にもエールを送りたい」と、新商品の写真入りの手紙を送ると、吉野家側から「商品開発の部署で商品化を検討する」との返答があったという。

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